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梅屋 潔教授


はじめに

社会人類学・宗教学・宗教社会学・民俗学などさまざまな専門を行き来しています。もっとも長く調査しているのは東アフリカ、とくにウガンダで、最近、南部アフリカ、西アフリカなどでも調査をしています。日本の調査研究(新潟県、和歌山県、宮城県など)も継続的に続けています。博士課程在籍中に短期間ですがJICA(国際協力事業団)の専門家を務めたことがあるという(1999-2000)、日本の人類学者としてはちょっと珍しい経歴を持っています。

研究内容

私の研究は、大学時代に吉田禎吾先生(東京大学名誉教授、文化人類学)に出会ったことに端を発しています。その後、学士課程では鈴木正崇先生(慶應義塾大学名誉教授)に、大学院修士課程では、宮家準先生(慶應義塾大学名誉教授)に、文化人類学と民俗学・宗教学のイロハを教わりました。その後、大学院博士後期課程では、一橋大学の長島信弘先生(一橋大学・中部大学名誉教授)、内堀基光先生(一橋大学・放送大学名誉教授)、浜本満先生(一橋大学・九州大学名誉教授)といった碩学に学びました。アフリカでは、最初の調査から一貫してエドワード・K・キルミラ教授に大変お世話になりました。最近いくつかの英文論文を共著で出すことができ、それを代表論文に数えてくれているのは大変うれしいことです(https://www0.sun.ac.za/sociology/edward-kirumira/)。

おもに「災因論」を手掛かりとして、宗教的な信念や実践に関する語りを集め、実践を観察しながら民族誌を書いてきました。民族誌の対象となる社会の価値体系を複雑なまま理解したいという民族誌の野望にずっととりつかれています。いまのところの代表著作は『福音を説くウィッチ――ウガンダ・パドラにおける「災因論」の民族誌』(風響社、2018)とその英語版のThe Gospel sounds like the witch’s spell: Dealing with misfortune among the Jopadhola of eastern Uganda(Bamenda: Langaa, 2022)です。とにかく長く、かつ、かなり読みにくいので、もっと読みやすい簡略版を現在準備しています。

「少年老いやすく……」と言いますが、これまでの研究を顧みると、わずかな仕事しかしてこなかったことが、よくわかります。1972年に出版された二冊の書物『日本の憑きもの――社会人類学的考察』(吉田禎吾著、中公新書)と『テソ民族誌――その世界観の探求』(長島信弘著、中公新書)のあいだからこれまでの私の研究関心は、はみ出すことがなかったようにも思われます。

最近の活動

最近ではカメルーン出身の盟友、フランシス・B・ニャムンジョ(Francis B Nyamnjoh, ケープタウン大学教授)と一緒に仕事をすることが多く、研究も教育も、その強い影響下にあります。
ここ数年は、科学研究費補助金(基盤研究(A))「「妖術」はどこから犯罪か?―旧英領アフリカ諸国の司法判断の合理性」(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-22H00035/)を中心にして研究を遂行しています。

大学院教育

大学院では、アフリカを専門にする大学院生にもう少し来てほしいとは思っています(現在までのところ、アフリカを専門とする院生はのべで2名)。実際にはフィールドに関係なく、一緒に勉強しています。
大学院生が研究に専念するためには、アルバイトなどに頼るのではなく、日本学術振興会特別研究員ほか、各種財団の研究助成金など奨学金や研究資金を得ることが不可欠です。研究科独自の奨学金(渡邊研究助成金)も創設することができました。そうした資金面での経験や知見も当研究室には蓄積されています。