グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



TOP >  What's New? >  第96回研究会

第96回研究会


開催日時 2024年1月17日(水) 17:00-19:00
場所 神戸大学大学院国際文化学研究科 学術交流ルーム(E棟4階 E410)
発表者①
Oscar Wrenn氏(神戸大学大学院人文学研究科)
タイトル
「間を心がける―日本農村の衰退ランドスケープにおける農業リズムの遮断」
要旨
本発表は日本の山村で行われている農作業のリズムに対する考察を通じて、「衰退のランドスケープ」下の農業労働者の日常生活における、他人・他種・他物の不規則な移動性に注目し、それに対して適宜、スキルフルに順応している様相を明らかにする。景観・ウェイファインディングに関する人類学的研究、移動性に関する文化地理学の方法論を土台として、農業の営みの中で具現化される労働者や気候の不規則な移動性から生じる「非リズム性」を身体的経験として描写する。また、この「非リズム性」を説明する上で、日本農村の「衰退」を独特の資本主義発展として位置づけ、資本主義論理とそれから漏れ出す「矛盾性」の間で不可視化されている「綴じ合わせる」作業にも焦点を当てる。
 
発表者②
欒孟聡氏(神戸大学大学院人文学研究科)
タイトル
「中国系新移民のエスニック・エンクレーブの再構築―重層する華僑ネットワークとの関わり」
要旨
本発表は中国系新移民の地理的な集住モデルにおけるエスニックネットワークの重要性を中心に探求する。筆者は同郷移民団体の成立プロセスを研究し、エスニックコミュニティの形成メカニズムを明らかにする。そして、移民の移動経路や日常生活の調査を通じて、新華人移民の生活状況を詳細に理解するためのミクロの視点から、重層的な「エスニックネットワーク」の重要な役割に焦点を当てる。この調査から確認されたのは、エンクレーブの形成過程において、事前に構築されたエスニックネットワークが鍵となる役割が果たされていたことである。さらに新移民を中心とする集住地が多元的な文化価値を持ち、自民族の文化資源が社交的な空間で際立っていることが確認された。